今日すべからず

140字じゃ収まりきらない夢を描く

液晶化される時代で、現物を見るということ

スマホを見れば、すぐそこに私の好きなアイドルがいる。

YouTubeを開けば、ネットを開けば、すぐそこに誰よりも近くにいる。



時代は、そんなところまで来てしまっている。今回やった新曲も、あのカバー曲も全部いつか少クラで歌ってくれるのを待てばいい。

そうすれば、疲れずお金も使わず、テレビの前という最高の特等席で大好きなアイドルを見れるのだから。



果たして、それは本当の好きなのか。



テレビや、画像や、動画は魔物だ。

加工や細工なんて簡単なもの。ちょちょいのちょいで、なんだって出来る。

そんな『加工してるかもしれない』彼を本当に彼と呼んでいいのだろうか?


でも、現物なら、メイクをしても、どれだけ照明を当てても、彼は彼自身で彼以外の何者でもない。

お金を払って、遠くからはるばる来て、大事な2時間を彼のために捧げて、それを彼は受け止めて、私たちのためだけにその時間を使う。




私は、液晶化される時代で大好きなアイドル『HiHi Jets』と『7 MEN 侍』に会いに行った。

現物は違うそう信じて。

彼らの汗が見たかった。彼らの血を感じたかった。彼らの鼓動を知りたかった。


彼らの生きる世界をこの目で見たかったから。


東京まで足を運び、初めてのスタンディングに挑戦した。



結論から言うと、現物は違う。


私が舐めまわすように見ていた、テレビやYouTubeに映る彼らとは、また違う彼らがそこにいた。


あの子はもっと身長が高いんだ。

あの子はもっと肌が綺麗なんだ。

あの子はもっと歌が上手なんだ。

あんなに綺麗に滑れるんだ。

あんなに綺麗に笑えるんだ。



あの子はもっと素敵なんだ!


そう感じた。


もちろん、彼らは嘘偽りない姿を動画や画像で見せてくれるから、現実と液晶の間にズレはほぼなかった。

でも、やっぱり知らない彼らもいた。確かにその場にいた。


私は、嬉しかった。知らない彼らのことをしれたことが。

すごくすごく嬉しかった。


あなたの思う彼が、あなたの知る彼が、きっとあなたにとってのアイドルだから、強制はしない。

でも、ほんの少しでも愛したいと感じたら、思い切って現物を見て欲しい。


曲なんて全然知らないし。新規だし。初ライブだし。

なんて言わないで欲しい。誰にだって初はある。知らないことだってある。これから知っていくこともある。

自分の好きなことに『初めて』を使える人生って素敵じゃない?


私は、サマステに行って初めて現物を見た。彼らは生きていて、この世界で覚悟を決めて生きていた。


その生き方を愛したいと思った。
アイドルは複製できるものでは無い。

その人自身の姿から生き方から細部まで愛してあげて欲しい。

だから、1度足を運んで欲しい。

全てが映像化される世界だからこそ。あなたにとっての一点モノのアイドルを見てほしい。あなたにとっての一点モノのライブを見てほしい。



現物を見て、想像と違って嫌になるかもしれない。逆に、大好きになるかもしれない。

それでいいんだよ。

だから、アイドルは面白い。だから、大好きなんだ。

1度でいい、また行きたいと思ったら行けばいい。とにかく、まずは来て欲しい。


そんな小さな小さな私の願いです。




あなたのスマホで見て知っているアイドルは、あなたの思っている何十倍もカッコイイから。



HiHi Jetsちゃんと7 MEN 侍ちゃん、私はきちんとこの目で見てあなた達の鼓動と意志を感じました。

馬鹿にされるかもしれないその言葉を、私は本当に信じていいんだと感じました。



生きているだけで、みんなを笑顔にさせれる、そんな伝説になりましょう。



マスカットジュースが弾けるほど、あなたを愛したこの一瞬を。